こんにちは。
今週末はトルコリラの統一地方選ということで、そわそわ落ち着かない週末を過ごしている方も多いのではないでしょうか?
大方の見方は
「与党が負けてエルドアン大統領の求心力が低下するとリラ安」
と予想されているようですが、いっそのこと与党が大敗し、エルドアン大統領が大統領の座から引きずり降ろされたほうが、(目先はリラ安になっても)中長期的にはリラ高に繋がるのではないかと思ったりしています(笑)

akilogについて

今日の本題に移ります。
みなさん、akilogというブログはご存知でしょうか?
トラリピや長期スワップ、スワップサヤ取りなど、私と投資対象の共通点が多い方で、私も常にチェックさせていただいている有名ブロガーさん、あっきんさんのブログがakilogです。
非常に深く考察されており、且つ、とてもわかりやすくまとめられているので、同じような分野に投資している方にはとても参考になるブログだと思います。
私が現在運用中のトルコリラのサヤ取り投資も、あっきんさんの記事を参考に運用設計しました。

ポーランドズロチのサヤ取り投資

そのあっきんさんが、先日、ポーランドズロチのサヤ取りについて記事にされていました。詳しくは記事を直接ご覧いただきたいのですが、投資手法を一言でままとめると、「サヤ取り」というよりは、「ユーロ/ズロチの売りによる長期スワップ投資」といったほうが適切だと思います。
あっきんさんは100万円の資金で、ズロチ/円を21.5万通貨ロング、ユーロ/円を5万通貨ショートしています。要するにユーロ/ズロチのショートを自作しているのです。

21.5万(ズロチ) / 5万(ユーロ) = 4.3
現在のユーロ/ズロチのレートは約4.3。
要するにあっきんさんは ユーロ/ズロチをショートしていることになります。

ふと抱いた疑問

あっきんさんによると、この手法で年利11.8%ほどの利回りが見込めるようです。
この記事を読んで、ふと抱いた疑問があります。

「わざわざ ユーロ/ズロチを自作しなくても、 ユーロ/ズロチを直接ショートすればいいんじゃね?」

だって、2種類の通貨を持つということは、証拠金だって2倍必要になります。ユーロ/ズロチを直接ショートして証拠金を半分に抑えれば、その分、レートが上昇して含み損が拡大した際の余力だって増えることになりますよね。

じゃあ検証してみよう!

Twitterであっきんさんに
「あっきんさんの手法とユーロ/ズロチの直接取引、どっちがパフォーマンスいいか検証したことありますか?」
と聞いてみたところ、検証したことはない、とのこと。

であれば、検証してみよう!と思い、今日の記事に至ったわけです。

まずはあっきんさんの手法を検証

まずは、あっきんさんの手法によるパフォーマンスを簡単にまとめてみます。

あっきんさんの記事では「1日あたり322.5円のスワップ金利が得らえる」と書いていましたが、最近のFXプライムbyGMOではユーロ/円の売りでも1万通貨あたり2円のスワップがついているので、1日あたり333円のスワップが得られ、年間利回りは12.14%程度が期待できそうです。
レバレッジは12.4倍とかなり高めですが、2通貨の相関関係が高く変動率が低いため、12.4倍という数字ほどのリスクはなさそうです(詳しくは後述)。

次にユーロ/ズロチの直接取引を検証

次にユーロ/ズロチを直接保有した場合を検証してみます。
ユーロ/ズロチの取り扱いがあり、且つ、売りのスワップ金利が一番高いところを探したところ、見つけた限りではサクソバンクが一番高そうでした。
3月のスワップ金利の平均は32円/日でしたので、その数字でシミュレーションしてみました。

100万円の資金で、あっきんさんと同じ5万ユーロをショートしてみると、得られるスワップ金利は160円/日と、あっきんさんの手法の半分にも満たず、期待利回りも半分以下の5.84%となりました。

ただ、あっきんさんの手法と比べてのメリットは、レバレッジが6.2倍と半分で済むことです。2種類の通貨を保有せずに1種類の通貨の保有で済んでいるので、レバレッジが半分になるんですよね。

「じゃあ、あっきんさんと同じ12.4倍のレバレッジで運用すればいいのでは?」
という疑問が浮かびそうですが・・・

たしかに上の表の2行目のようにレバレッジを12.4倍に引き上げると、保有通貨数も2倍になるので利回りは11.68%と、あっきんさんの手法と遜色ない数字が期待できますが、リスクについては下記の通り、あっきんさんの手法の2倍となってしまいます。

上は、あっきんさんの手法で運用したときに、過去のユーロ/ズロチの高値圏にまでレートが上昇した際の含み損をシミュレーションしたものです。
2009年のレート(4.934)まで上昇すると含み損は約91万円まで増加してしまい、証拠金(約50万円)を加味するとさすがに強制ロスカットが発生してしまいますが、 2011年のレート(4.596)までの上昇であれば、含み損は約43万円まで増加しますが、証拠金を含めても100万円の資金内での許容範囲内となります。

次にサクソバンクでレバレッジを12.4倍まで引き上げたパターン(上の表の2行目)。
あっきんさんと同じレバレッジ12.4倍を取ると、保有通貨数もあっきんさんの2倍の10万ユーロとなるため、当然ですが含み損も2倍になります。2009年のレートはおろか、2011年のレートでも余裕でロスカットです(笑)

以上のことから、あっきんさんの手法のほうがサクソバンクでのユーロ/ズロチ直接保有よりもパフォーマンスが高く、且つ、リスクが低い、ということができます。

結論(まとめ)

  • 現状の条件であれば、サクソバンクでのユーロ/ズロチの直接取引よりもあっきんさんの手法のほうがパフォーマンスが高く、リスクが低い
  • 但し、将来的にFXプライムbyGMOのスワップが悪化、または、サクソバンクのスワップが増加した場合、結果が逆転する可能性がある

この投資手法を取り入れるか?

この投資手法、なかなか上手く考えられているなぁと思います。
ただ、この投資を自分のポートフォリオに組み入れるかを考えた場合、ちょっと微妙かなぁ、というのが個人的な今の感想です。
理由としては、
「(為替変動リスクのない)サヤ取り運用として利回り12%」
ならば優秀ですが、これは
「レバレッジ12.4倍(ユーロ/ズロチを直接保有と考えても6.2倍)を効かせた普通の(為替変動リスクがある)長期スワップ投資での利回り12%」
であり、そう考えたときには数字的に物足りないなぁというところです。であれば、メキシコペソをレバレッジ1倍で運用して9~10%、もしくはレバレッジ1.5倍で14~15%の利回りを狙ったほうがメリットが高く、リスクが低いのではないか・・・というのが私の考えです(さすがにトルコリラは危険ですが・・・笑)。

現在のポーランドの政策金利は1.5%。これが3%程度まで引き上がれば、この投資手法による利回りも今の倍の20%程度の期待が出来そうです。そうなった場合には、自分の投資ポートフォリオに組み込むのもありだなぁと思います。
引き続き、あっきんさんの投資運用実績を注視していきます。

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