こんにちは。
先週末のトルコリラの下げっぷりは凄かったですね。
まぁ、リーマンショックの時の下げ方と比べればまだまだ可愛いものではありますが、久しぶりに相場の怖さの片鱗を垣間見た気がします。

あの下げを受けて、先日記事にしたトルコリラ/円のサヤ取り運用の設計を見直してみることにしました。

先週金曜日の私のサヤ取り口座の状況

本題に入る前に、先週金曜日の私のサヤ取り口座の状況についてお伝えしたいと思います。

先日の記事にも記載した通り、私のサヤ取り運用は先週月曜日(3/18)に開始したばかりで、トルコの統一地方選挙が終わるまでは超安全運用のスロースタートで運用を始めていたので、今回の下げ程度では全く問題ありませんでした。

こちらは昨日の夕方の時点で撮影した口座状況です(みんなのFX)。
100万円の口座残高で16万リラを保有しており、昨日現時点で-23万円ほどの含み損がありましたが、余力がまだ66万円ほどあるため、15円付近まで下落しても強制ロスカットは発生しない状況です。
なので、金曜日の夜はリラが大下げしていることは知っていましたが、15円まで下がることはないだろう、と考え、特に何も対策を打たずに夜も爆睡していました(笑)

今回の下げで気が付いた運用設計の問題点

今回に関しては、十分な資金運用の中で迎えた下げ相場だったので、何も問題ありませんでしたが、今回の相場を通じて、先日の記事で紹介した、今後の運用設計についてはいろいろと問題があることに気が付きました。

上が先日の記事で紹介した4月以降に運用開始予定の設計だったのですが、今回の下げを通じて、以下のような問題点があることに気が付きました。

  1. 相場急落時にはスプレッドが拡大することがあるため、買い口座・売り口座共にOCO注文を出していても、買い口座のみが決済されて、売り口座が決済されない可能性がある 。
  2. 上記1.の懸念を考慮すると、出来るだけOCO注文によるクローズ決済は発生させたくない。OCOに引っかからない運用を優先事項とする場合、買い口座の必要耐久資金が2円では不十分、予備資金の1円分を加えても心もとない。

今回の下げ相場では、実際に買い口座の「みんなのFX」で少なくとも20pipsほどまでスプレッドが拡大したため、買い口座のみが決済されて、売り口座が決済されずに週明けに持ち越しになってしまった方がいたようです。

今回の下げ相場を経験しての設計見直し方針

というわけで、今回の経験を通じ、運用設計を見直すことにしました。
見直しにあたり、同じ案件を非常に詳しくまとめてくださっているあっきんさんの記事がとても参考になりました。
あっきんさんが挙げてくださっている「相場急落時に片方だけ決済されない」ための対策案に沿って、自分の考えを書いていこうと思います。

①急落を察知して早めに成行注文で手仕舞いする。

これは私には合わない対策だと感じました。
理由は以下の通りです。

 ・急落を察知できるほど常に相場は見続けられないし、見続けていたくない
 (極力放置したい)

 ・仮に相場を見ていても急落と判断できる自信がない
 (「そろそろ下げ止まるだろう」と変な欲、自分の弱さが出てしまい、手じまいのタイミングを失いそう)

②資金移動を事前にしてOCOを下げる

一般的に、買い口座と売り口座間での資金移動には数日を要します。相場急落時にはその数日間が致命傷となることがあります。これを避けることが出来る口座の組み合わせが、買い口座の「GMOクリック証券のくりっく365」と売り口座の「GMOクリック証券のFXネオ」です。これだと両方ともGMOクリック証券であるため、買い口座と売り口座間の資金移動が瞬時に実施できるんです。

これは非常に有効な対策案ではありますが、上にも書いたように、私は急落を察知できるほど常に相場は見ていられないので、「私にとっては」これだけでは完璧な対策とは言えません。

③買い口座に余裕を持たせておく

これが最も共感できる案でした。
但し、当然のことですが、この対策には「利回りが減少する」というデメリットがあります。
ですが、出口戦略を誤ると、日々コツコツと貯め続けたサヤ取りのスワップが一瞬にしてドカンと消え失せるどころか、トータルでマイナスになってしまうリスクがあり、それを考えるとサヤ取り運用においては安全運転が何よりも大事なのではないかと個人的に考えています。

そしてたどり着いた設計見直し案

以上のような様々な考察を経てたどり着いた設計案について紹介してみたいと思います。

<現行の設計>

再掲しますが、上が先日の運用設計案です。
期待利回りは16.59%と申し分ないのですが、買い口座には2円分の下落に対する備えしかなく、今回の下げ相場を見ると、常に相場を監視していない自分にとってはリスクが大きすぎる設計であると言わざるを得ません。

そこで、今回熟考した再設計案です。

<新設計案>

前回との主な変更部分の背景色を黄色にしています。

A) 買い口座の変更

まず、買い口座を「みんなのFX」からGMOクリック証券のくりっく365に変更します。変更理由は 、買い・売り共にGMOクリック証券となるため、買い口座と売り口座間の資金移動が瞬時に実施できることから相場急変時の対応力が格段に増すことが期待できるからです。
これが一番の理由ですが、この口座変更には思わぬ副産物があり、ここ最近のくりっく365のスワップ金利はみんなのFXよりも高く、直近1週間平均では128円まで上昇しているようです。 この口座変更により、サヤ取り金額が1万通貨あたり30円から38円に増加が見込まれます。

B) 買い口座の証拠金維持率引き上げ

今回の変更案の最大の目玉です。
前回の設計では2円の下落にしか耐えられない設計でしたが、今回は投入資金を増やし、4.5円の下落に耐えられるようにしました。現在のレートを19円と考えると、14.5円までの下落に耐えられる計算であり、先日の記事で記載した「トルコリラは目先14円台まで下がる」を意識した設計でもあります。この変更により、買い口座のレバレッジは前回設計の7.14倍から3.77倍まで約半減となります。
同じ資金額で上記設計に対応するために保有通貨数は32万通貨から25万通貨に減らしました。

C) 売り口座の証拠金維持率引き上げ

売り口座ほどではありませんが、買い口座も2円の上昇から2.5円の上昇に耐えられるよう資金を引き上げました。
この2.5円という数字にも意味があります。昨年8月13日に一時15円台を付けた直後の8月14日と15日にそれぞれ1日で反発した上昇幅がいずれも約2円であり、これが直近での最大の上昇幅となるため、それに耐えられる設計としました。

D) 予備資金の廃止

買い・売り口座をGMOクリック証券に統一したことで、資金移動に要する日数を考慮する必要がなくなったため、予備資金は廃止としました。

結果的に期待できる利回りは・・・?

今回の再設計案で期待できる利回りは、なんと前回(16.59%)とほとんど変わらない16.13%となりました!
全体的にレバレッジを引き下げ、前回よりも安全設計にしましたが、同時に、サヤ取り金額の増加、予備資金の廃止が資金効率の改善に繋がり、結果としてはほぼ変わらない利回りが期待できそうです。

くりっく365のデメリット・注意点

今回利用を予定している、くりっく365には以下のようなデメリットや注意点があります。

通常時のスプレッドが広い

みんなのFXのスプレッドは1.7pipsの原則固定ですが、くりっく365は平均すると3.2pips程度のスプレッド幅があるようです(くりっく365公式ページより)。
これは、サヤ取り運用開始時に発生するスプレッドによる損失を回収するまでの日数が長くなることを意味します。みんなのFXは6日ちょっと(1万通貨のスプレッド170円 / 1万通貨のサヤ取り30円)でスプレッド回収が可能であるのに対し、くりっく365は8日程度 (1万通貨のスプレッド320円 / 1万通貨のサヤ取り38円)を必要としそうです。
ですが、たかが2日程度のことなので、長期運用で考えれば無視してもいいレベルの差ですね。

相場急落時のスプレッド拡大幅が大きい

こちらのzaiの記事によると、くりっく365は昨年8月10日のトルコショックの際に、一時、100pips(1円)近くまでスプレッドが拡大したと言われています。
たしかに 100pipsのスプレッド拡大は、買い口座だけが決済されて、売り口座が決済されずに残ってしまうリスクに繋がりますが、それでも買い・売りの両口座をGMOクリック証券で統一することによる即時資金移動が可能となることは1円どころか数円分ののロスカット対策となるため、1円くらいのスプレッド拡大は許容範囲、と個人的には考えています。

新設計での運用開始時期

新設計での運用開始時期は来週末の選挙明けを予定しています。この時期まで買い口座をみんなのFXで運用し続けると、初期のスプレッドによる負債をスワップサヤ取りで相殺できそうなので・・・。セコい話かもしれませんが、出来れば損失は出したくないですからね。

というわけで、この新設計での運用経過は、また後日報告したいと思います。

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