中国人民元のスワップ複利運用で年利15%+αプロジェクト

タイトルだけ見ると掲げている数字が大きすぎて怪しげな投資にしか思えませんが、2019年7月からこのようなプロジェクトを進行中です。
このページではプロジェクトの運用状況や投資ルールについて説明していきます。

(ご注意)
こちらのタイトルに記載している「年利15%」は、為替変動が一切なく、且つ、中国人民元のスワップ金利が1日あたり10円/日固定であった場合に見込まれる年利となります。
当然、為替変動によっては元本割れのリスクがある投資となりますので、その点、ご理解の上、参考にしてください。




「中国人民元スワップポイントで年利15%+αプロジェクト」の運用状況

(更新日:2019/11/17)

運用開始日  : 2019/07/24
投資元本   : 300,000円
口座評価残高 : 320,530円
保有通貨数  : 150,000元 (買い)
          30,000元(売り)
スワップ損益 : +16,350円 (前週比 +840円)
ポジション損益: +4,180円  (前週比 -12,960円)
評価損益   : +20,530円  (前週比 -12,120円)

こちらは保有通貨数と口座評価残高の推移です。
運用開始直後に出鼻を大きくくじかれた中国人民元の運用ですが、運用開始から3ヶ月近く経過して、10月の後半あたりからやっとプラ転するようになりました。
今週は人民元のレートが若干下落したため、評価残高は少し落ちていますが、依然として収益は黒字を維持できています。

現在、売りポジは3万元です。
上のグラフの水色の部分がそれを表しています。
これは、買いポジのうち、3万元のポジションの含み益が0.5円分(+15,000円)の利益が乗ってきたので、この含み益を確定させるためのものです、売りポジは0.3円分の利益が乗れば、利食い予定です。
(ルール上は「0.3円分の含み益が乗ったら売りを建てる」だったのですが、ちょっと欲張って0.5円まで引っ張りました。)

今週の下げにより、この3万元の売りポジに含み益が乗ってきました。
0.3円分の為替差益が出たら、予定通り利食いします。

こちらは、スワップ損益とポジション損益の推移を表したものです。
先週よりは下落していますが、ポジション損益も依然として含み益を維持できている状態です。

トルコリラ・メキシコペソ・南アランドと比べるとスワップ金利が安いので、スワップの積み上げ(緑の棒グラフ)が小さいですが、スワップが少しずつ積み上がり、ポジション損益(青い折れ線)とトータルの評価損益(オレンジの折れ線)の間に乖離が発生し始めています。

投資ルールの詳細については以下を参照ください。

「中国人民元スワップポイントで年利15%+αプロジェクト」 の投資ルール

  1. 資金2万円につき1万元となるよう買い増しを続ける
  2. 含み益が出ている時は、スワップ金利が2万円貯まるごとに1万元を買い増しする(含み益は無視)
  3. 含み損が出ている時は、(スワップ金利 + 含み損)が2万円貯まるごとに1万元を買い増しする
  4. 1万元あたりの純資産が2万円を切っても保有中のポジションは損切はしない(回復するまで放置)
  5. ポジション損益において0.3円分の含み益(=300日分のスワップ金利に相当)が発生したら、同数の売りポジションを建てる(利益の確定)
  6. 売りポジションは1円分の含み益が発生したら利益確定(ポジションクローズ)する

ルールを簡潔に述べると、
「資金2万円あたり1万元を保有する」
という、とってもシンプルなものです。

中国人民元スワップ投資にあたって抑えておきたいこと

ここで、中国人民元でスワップ投資をするにあたっていくつか抑えておきたい中国人民元独特の特徴がありますので、まずはこちらでまとめてみたいと思います。

中国人民元に対する信用度の高さ

中国人民元はトルコリラ、南アフリカランド、メキシコペソと比べるとスワップ金利は安いものの、これら3通貨と比べるとレートに安定感があり、通貨に対する信用度が高いです。

以下はS&Pの各国に対する格付けです(2019年7月現在)。

トルコ:BB-
南アフリカ:BB+
メキシコ:A-
中国:A+
日本:A+

実は中国の格付けは日本と同位なんですね(正直、ちょっと驚き・・・)。
逆にトルコや南アフリカなどはリスクのある投資対象として格付けされています。
これを見ると、中国人民元に対する安心感を感じることができると思います。

将来的に期待できる中国人民元高

中国人民元は主に中国の貿易や国内経済において有利となるよう、中国当局によって為替操作が行われていると言われて久しく、実態と比べると3割ほど割安であるという試算もあります(「3割」という数字はみんなのFXのサイトより)。
アメリカを中心とする諸外国からの圧力を受け、これまでも中国人民元は段階的に切り上げされてきました。

2019年8月現在は米中貿易戦争の真っ只中で、トランプ大統領からは「為替操作国」に認定されるなど、中国人民元も意図的に元安に操作されていると囁かれていますが、貿易戦争が一段落すれば長期的には前述の諸外国からの圧力を受けて再び元高となることが期待できます。

中国人民元にはオンショア人民元とオフショア人民元の2種類がある

中国人民元にはオンショア人民元とオフショア人民元というものがあります。
オンショアは中国国内の移住者が市場参加できる通貨で、オフショアは我々のような中国国外の人間が市場参加できる通貨です。
前述の為替操作が行われていて、今後元高が期待されると推測されるのは前者のオンショアですが、我々が参加できるオフショアはどうなのでしょうか?

オンショア人民元とオフショア人民元の相関関係

そこで気になるオンショアとオフショアのレートの相関関係について調べてみました。

こちらはオンショア人民元/オフショア人民元の月足ですが、見てわかる通り、ほぼ0.99から1.01の範囲内に収まっていることがわかります。
要するに、オンショアとオフショアの相関関係は「ほぼイコール」と言えます。

よって、我々が投資できるオフショア人民元についても、今後、元高が期待できる、と考えています。

「中国人民元スワップポイントで年利15%+αプロジェクト」 の運用シミュレーション

上は最初の12ヶ月間のシミュレーションです。
(シミュレーションは為替変動が全くないという前提で作成しています。)
私は元本30万円でこのプロジェクトを開始していますので、15万元でスタートです。

スワップが1万通貨あたり10円/日のポジションを10万元保有しているので、1日150円のスワップ金利が発生し、1ヶ月では4,500円のスワップ金利が得られます。

5ヶ月後・・・

5ヶ月間、この運用を続けると、月末残高は322,500円となり、元本に対して2万円ちょっとのプラスとなります。
ここで、「2万円あたり1万元を保有する」というルールが適用され、6ヶ月目に1万元の追加購入を実施し、ここからは16万元での運用となります。

1年後には・・・

そして12ヶ月後。
あくまで為替変動がなかった場合の皮算用ですが、30万円で開始した運用は、1年後には口座残高(= 純資産の想定)は (税金20.315%支払後) 34.5万円に到達します。年利換算すると実に+15%です!

そして10年後・・・

この複利運用を10年間続けるとどうなるでしょうか?

10年後(120ヶ月後)には 口座残高(= 純資産の想定) は125万円に!!

元本に対して4倍以上の資産になる『予定』です。
複利の力って本当にすごいですよね!

為替差益が乗ってきたときには売りポジを建てて利益確定!

現時点ではまったく心配の必要がありません(それだけ含み損だらけw)が、将来的に建てているポジションに含み益が乗ってきたときのルールについても考えています。

中国人民元はトルコリラ・南アランド・メキシコペソと比べるとスワップ金利が少なめであるため、普通のスワップ投資よりも為替差益についても積極的に狙っていこうと思っています。

そこで、
「含み益が0.3円分乗ったら、同額の売りポジションを建てる」
「売りポジは0.3円の利益が乗ったら(= 0.3円下落したら)利益確定する」

というルールを設定します。

レート0.3円の為替差益は、スワップ(10円/日)の300日分に相当します。
1年弱のスワップに相当する含み益が貯まったのなら利益確定してしまおう、という考えです。
0.3円の含み益が乗った時点で両建にすれば、それ以降の為替変動の影響は受けないということです。

そしてその後、両建のために建てた売りポジに0.3円分の含み益が乗った場合には、売りポジを利益確定することにします。

例えば、レートが15.0円でスタートし、その後、15.3円に到達、そして再度15.0円に下落した場合(15.3円→15.0円→15.3円)、15.3円で売りポジを建てて、15.0円で売りポジを利食いすることになるので、行き(15.0円→15.3円)の間のスワップ金利の他に戻り(15.3円→15.0円)で発生する為替差益も得られることになるのです。

「中国人民元スワップポイントで年利15%+αプロジェクト」 の リスク設計

2万円あたり1万元保有した場合、現行レートで考えるとレバレッジは約2.9倍。長期スワップ投資としては若干高めですよね。

「+15%+αの利回り目標って、この運用、本当に大丈夫?」
「レバレッジ高すぎるから暴落時に強制ロスカットされてしまうんじゃ・・・?」

当然、こういう疑問が湧いてくると思います。
というわけで、次にリスク設計について説明します。

中国人民元/円の過去のチャートからリスクを考える

中国人民元/円の2014年以降の過去最安値は 2016年、そして2019年8月のまさに今!の15円弱(14.8円付近)です。
私は現在15万元を保有していますが、その平均取得額は約15.4円です。
これらの数字をベースに、強制ロスカットラインを計算してみました。

レートが14.0に達すると、元本30万円のうち、必要証拠金(約9万円)を除いた余剰金(約21万円)を食いつぶす形の含み損(-21万円)が発生するため、このあたりが強制ロスカットラインとなります。
(上記試算はスワップ収入を一切考慮していないので、実際にはもう少し下のレートまで耐えられると思います)

というわけで、14円まで下がることを最悪シナリオと設定し、運用ルールは「2万円で1万元を買う」としました。

しかし、投資に「絶対」はなく、当然、ロスカットを食らう可能性もあります。なので、この投資には「全額失っても諦めがつく金額」を投じるのが良いと思います。
私にとってはその金額が30万円でした。現在運用中の資金の10分の1以下の金額ですし、
「30万円を賭けて10年後に120万円を手に入れられるのなら・・・(あわよくば為替差益も・・・)」
という「ミドルリスク・ミドルリターン」の考えで運用を始めています。

米ドル/中国人民元のチャートから見えてくるリスク

上に貼りつけた中国人民元/円のチャートを見ていると、そろそろ下げ止まるだろうとも期待できるのですが、対米ドルのチャートを見ると、新たな懸念が生じてきます。

こちらは米ドル/中国人民元の月足です。
これまで、この通貨ペアは1ドル=7.0元未満になるように操作(?)されてきたのですが、今月(2019年8月)、突如、その法則が破られ、7.1を超えてきました。

これもおそらく米中貿易戦争の影響だと思います(元が安いほうが輸出の多い中国にとっては有利)が、 これまで上値抵抗線として強く意識されてきた1ドル=7.0元の壁を上方向に突破されたことで、今後、更なる元安に進むリスクがあるかと考えています。

メキシコペソでも同じようなプロジェクトを運用中!

メキシコペソスワップの複利運用も並行実施中

実は、メキシコペソでも今年の4月から同じような運用を行っています。

こちらも2019年8月時点で、含み損の影響で年利55%どころか元本割れの状態となっていますが、長期的に見れば収益は取れるのではないかと期待しています。

中国人民元とメキシコペソで同じような運用を行うワケ

上述の通り、メキシコペソでの運用では為替損益がないと仮定した場合、年利55%のリターンが狙えます。一方で中国人民元は年利15%程度。
その差は中国とメキシコの政策金利の差にあります。2019年7月現在、メキシコの政策金利は8.25%、一方で、中国の政策金利は4.35%です。この差がスワップ金利の差となり、期待利回りの差に繋がります。

数字だけ見ると、「メキシコペソに集中して運用すればいいんじゃない?」となるかもしれません。でも私は中国人民元でも運用することを決めました。
その理由はずばり、「分散投資」です。

中国人民元とメキシコペソにおいては、以下のようなメリットとデメリット(リターンとリスク)があると考えています。

  • メキシコペソはスワップ金利が高いが、メキシコペソ/円のレートは長期的にみると下落するリスクが高い
  • 中国人民元はメキシコペソほどはスワップ金利が高くないが、中国人民元/円のレートは長期的にみると上昇が期待でき、その場合、スワップ益のほかに為替差益が手に入る。

メキシコペソは何と言ってもスワップ金利の高さが魅力です。
そしてトルコリラや南アフリカランドと比べると、比較的為替レートの変動に安定感があります。
とは言っても、やはり長期的にみると下落のリスクが高いというのが、トルコリラ、南アフリカランドだけではなく、メキシコペソにも当てはまるリスクであると思います。

中国人民元にも投資することで、これらのリラ・ランド・ペソの三大高金利通貨に投資する際の為替差損のリスクをある程度ヘッジできるのではないかと期待しています。

中国人民元のスワップ投資にオススメのFX会社

中国人民元のスワップ積み立て投資にオススメのFX会社は「みんなのFX」です。
2019年8月時点、中国人民元のスワップ金利は10円/日で主要なFX会社の中ではトップのスワップ金利を提供しています。
日々のスワップ金利は変動しないことが多く、毎日安定していることが多いので、長期保有していても安心できます。
また、2019年8月時点では、中国人民元の買いスワップと売りスワップが共に10円というのも、両建の運用が発生する当プロジェクトにとっては大きなポイントです。

中国人民元スワップ投資まとめ

スワップ投資といえば、人気なのはトルコリラ、南アランド、メキシコペソの主要3大通貨ですが、いずれも為替リスクが大きいです。
その点、中国人民元は格付けも日本と同格であり、将来的には為替リスクよりも為替メリット(元高)が期待できるため、上記3通貨よりは期待利回りは低いですが堅実な運用が期待できます。

現時点では「通貨は米ドルを持っておけば将来的には安心」と言われていますが、中国の現在の成長スピードを考えると、10年後・20年後には「中国人民元を持っておけば将来的には安心」という時代が来るかもしれません。

日本人としては悲しいことですが、今後の日本の国家としての衰退リスクを考えると、日本円でしか資産を持っていないことが将来的には大きなリスクになることも懸念されます。

このような考えから、今後は中国元にも一定の投資をしていく意味があるのではないでしょうか?