こんにちは。
昨日はリスクオフの動きが広がり、全体的に円高の流れとなり、中でも新興国通貨、その中でもトルコリラが大きく売られました。

トルコリラが特に売り込まれた要因については、他のブログなどで多く取り上げられているのでここでは割愛しますが、ざっくりまとめると、世界的なリスクオフ要因(米景気減速の懸念や中銀の金融政策引き締め発言等)に加え、トルコ独自のマイナス要因(アメリカとの関係悪化の懸念等)が重なったことで、トルコリラが大きく下げているようです。

今朝以降のトルコリラ関連ブログではこの下げを受けて、一気にザワつき始めています。
私もトルコリラは20万リラ抱えているのですが、うち16万リラはサヤ取り運用の両建なので、実質的には今回の下げの影響を受けているのは4万リラのみで、昨日一日の下げでは5万円程度の含み損拡大に留まっています。

(サヤ取りに関する記事はコチラを参照ください。)

もしも両建なしで20万リラ保有していたら、昨日一日で25万円以上の含み損拡大です。想像するだけで変な汗が出てきます。。。

今後、トルコリラを大きく左右する要因

こちらも他のブログ等でたくさん取り上げられているので多くは語りませんが、それはズバリ、来週末のトルコ統一地方選でしょう。
大方の予想はエルドアン大統領率いる与党AKPの勝利ですが、万が一、AKPが大敗するようなことがあれば、エルドアン大統領は支持率回復のために民衆に対してのバラマキ政策を展開せざるを得なく、それは中銀に対する金融緩和の圧力強化をマーケットに連想させます。
万が一、そうなった場合には、4/1(月)の相場は大荒れの大暴落となること間違いなしでしょう。

※トルコの地方選に関してはプレジデントオンラインのこちらの記事がよくまとめられています。

選挙大敗後のシナリオを予想してみる

来週、与党AKPが大敗した場合のシナリオを予想してみます。

記憶にも新しい、昨年8月のトルコリラ暴落の際には、トルコリラ/円はわずか1週間で6円近くも下げました。前回の暴落の引き金はアメリカ人牧師の拘束であり、それが引き金でアメリカとトルコ間で経済戦争が勃発したことがリラ暴落の要因でした。

今回の選挙で与党AKPが大敗し、エルドアン大統領の支持率が下がると、エルドアン大統領は支持率回復のために対アメリカ政策を硬化させると予想します。
(最近の韓国の文大統領の対日政策にも見られるように、国内での支持率が低下すると指導者は仮想敵国への政策を硬化し、自国民の支持率を回復しようと試みる傾向があります。)

既に今週からアメリカとトルコの関係は冷え込みつつあることから、選挙大敗の際にはその動きはさらに加速するのではないかと懸念します。

トルコリラは目先どこまで下げるか

次に、選挙大敗の場合、トルコリラはどこまで下げるかを予想してみます。
前述の通り、昨年8月にはトルコリラはわずか1週間で6円近くも下げていることから、今回も前回の安値である15円台半ばを目指すことは容易に想像が出来ます。現在のレートが19円弱ですから、その差はわずか4円ちょっと。前回の6円下げを考えると、決して大きな下げ幅ではありません。

更に悪いシナリオを考えると、前回の最安値である15円半ばの下にストップロスを置いている投資家は多いでしょうから、そこを刈り取る狙いで投機筋が仕掛けてくる可能性も十分に考えられます。

となると、我々は少なくとも14円までの下げに耐えられる資金運用が必要になってくるのではないか、というのが私の考えです

投資においてはネガティブ思考が重要

途中ブランクはありますが、下手なりに15年近く相場の世界にいます。
その間、リーマンショックなどの大きな金融危機も体験してきました。

「そこまで下げることはないだろう」
「もう少し待てば反転するだろう」

こういったポジティブ思考が時に致命傷となるのが相場の世界です。

トルコリラとは2012年頃から付き合っていますが、2013年に56円の値をつけた時、誰が6年後に20円を割ると想像していたでしょう。
でも、これがトルコリラであり、これが相場の世界です。

特にトルコリラはリスクの大きい通貨です。
レバレッジ5倍で運用したら4円の下落幅にも耐えられません。
レバレッジ2倍でさえ、10円まで下落したら強制ロスカットです。
となると、トルコリラに関しては1倍が盤石、多くても2倍程度までというのが安全運用の範囲と考えます。

ネガティブ思考が外れたらどうするのか?

この記事を読んでいる方の中には、トルコリラを多く保有し、昨日の下げで含み損を拡大させた方もいらっしゃるかと思います。

「いたずらに不安を煽りやがって。」
「そんな予想してるけど外れたらどうするんだ?」

と気分を悪くされた方もいるかもしれません。

「もしもこの予想が外れたらどうすればいいのか?」
答えは簡単です。
笑い話にすればいいだけです。

「あの時、ビビってポジション縮小したけど、結局暴落は起きなかったよなぁw」

それでいいんです。
でも、その逆は笑い話にはなりません。

私のPCやスマホのブックマーク(お気に入り)には更新が止まってしまったブロガーさんたちのブログがたくさん残っています。無理なレバレッジをかけ、強制ロスカットに遭い、相場から退場してしまい更新が止まってしまったブログばかりです。最後のブログ更新もないままに消えてしまったブロガーさんもいますが、中には最後に後悔の念を記したブログがいくつかあります。
私はそのブログ記事を自分の投資の参考書にしています。 自分が欲を出しそうになった時に そのブログたちを読み返し、それを「他山の石」として自分自身の欲を戒めるようにしています。

今回のトルコリラ暴落、来週末の選挙は来年8月並みの大きな危機となる可能性があります。
相場から強制退場とならないよう、各自、しっかりとリスク管理を心がけましょう。
今回の記事が少しでもみなさんのためになれば幸いです。

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